残置物処理のトラブル回避ポイント
相続した実家を売りたいけれど、家の中に家具や家電、生活用品がそのまま残っている。実務、特に相続案件だとこうした相談は本当に多いです。
結論から言えば、残置物があっても不動産の売買自体はできます。ただし、処分をどちらが行うか、引渡し後の残置物の責任の所在、ここを曖昧にしたまま契約すると、あとでトラブルになりやすいです。
この記事では、残置物の撤去責任と費用の目安、契約時に確認しておきたいポイントを先に押さえておきましょう。
残置物があっても売買はできるが、引き渡しまでの撤去が原則
不動産売買において、建物内に残された家具・家電・日用品などの「残置物」は、原則として売主の所有物です。売買契約上、引き渡し時には建物を空の状態にして渡すのが基本となります。
ただし、これは法律で一律に決まっているわけではなく、当事者間の合意で「残置物あり」の条件にすることもできます。実際に、相続物件や空き家では「現状有姿(げんじょうゆうし)」——つまり今ある状態のまま引き渡す条件での取引も珍しくありません。
原則は売主負担ですが、現状有姿で売る場合は、その分だけ売買価格を下げる交渉になるのが通常の流れです。
撤去費用の目安と判断を分ける条件
残置物の撤去費用は、量と内容によって大きく変わります。
♦︎一般的な費用の目安
| 物件の状態 | 撤去費用の目安 |
| 少量(家具数点・家電のみ) | 5万〜15万円程度 |
| 一般的な一戸建て(生活用品一式) | 15万〜40万円程度 |
| 大量・ゴミ屋敷に近い状態 | 50万〜100万円以上 |
費用は地域や業者によっても差が出ます。複数の見積もりを取るのが確実です。
♦︎判断を分ける条件
残置物の処理方針は、以下の条件で変わってきます。
- 売主が自分で処分できるか: 時間と体力があれば、自治体のルールに沿って自分で処分すれば費用を抑えられます。ただし、分別・搬出・粗大ゴミの予約など、想像以上に手間がかかります。(布団や衣服が意外にお金がかかりますので、布団と服だけでも捨てておくのがおすすめです。)
- 相続物件かどうか: 相続の場合、遺品整理の要素が加わります。貴重品や書類の仕分けが必要で、単純な不用品処分とは事情が異なるんです。住宅ローンが残っている相続物件では、残置物処理と並行してローンの扱いも確認しておく必要があります。
- 買主が引き取る合意があるか: エアコンや照明など、買主がそのまま使いたいものがあれば、合意のうえで残すことも可能です。この場合は契約書や契約書に付随する設備表に明記しておきましょう。
- 現状有姿売買にするか: 残置物をすべて残す前提で値引き交渉をする・受ける方法です。買主側に撤去の手間とコストが移る分、売買価格を下げるのが一般的です。
見落としやすい注意点
♦︎契約書に残置物の取り決めを明記する
「残置物は売主が撤去する」「エアコンは残す」といった取り決めは、口頭ではなく売買契約書の付帯設備表や特約に明記してください。ここが曖昧だと、引き渡し後に「聞いていない」というトラブルの原因になります。契約条件の取り決めは、金額面だけでなく残置物の扱いも含めて整理しておくのが基本です。
♦︎付帯設備表の記載漏れに注意
中古不動産の売買では、付帯設備表(ふたいせつびひょう)に「何を残すか・撤去するか」を一覧にしておくのが通常の流れです。エアコン、給湯器、照明、カーテンレールなど、意外と見落としやすい設備もあるので、仲介会社と一緒にチェックしてみてください。またここでトラブルになるのがエアコンなどの電気機器です。エアコンを引渡してもらったけど付けてみたら効きが悪かったからやっぱり回収して欲しい。などといった電気機器特有の問題が発生しがちです。売主側はエアコンを引渡すときは現状特に故障がなくとも設備表に不具合有で引渡すのがおすすめです。エアコンはあくまで好意で渡しますからねという姿勢で引渡しましょう。
♦︎相続物件では遺品整理と残置物処理を分けて考える
相続した不動産の場合、故人の遺品と単なる不用品が混在していることが多いです。遺品整理は感情面の配慮も必要なので、まず遺品の仕分けをしてから残置物の処分に進む方がスムーズです。意外と、この順番を間違えて家族間でもめてしまうケースもあります。また遺品でいうとタンス預金したまま亡くなる方、非常に多いです。残置物処理業者に話しをきくと約5~10%位の確率で現金が入った封筒が見つかるらしいです。相続人の方は引渡し前にタンスの中や押し入れの中などしっかり確認してくださいね!
売主としてどう整理すればよいか
♦︎まず現地の状態を確認する
売却を考え始めたら、まず物件の中を実際に見て、残置物の量と内容を把握しましょう。写真を撮っておくと、業者への見積もり依頼がスムーズになりますが実情は現地を見ないと細かい見積もりを出せない業者が多い為、不動産仲介会社等を使って立会のもと、見積もりを作成しましょう。
♦︎不動産会社に早めに相談する
残置物の処理方針は、「撤去してから売る」のか「現状有姿で値引きして売る」のか、物件の状態や市場環境によって判断が変わります。仲介会社に相談すれば、地域の業者紹介や費用感のアドバイスも受けられるので心強いところです。個人的には築年数の新しい家なら撤去してから売る。解体予定位の古い家ならそのまま現状有姿で売る。が高く売れるように思います。
♦︎見積もりは複数社から取る
残置物撤去の費用は業者によって差があります。2〜3社から見積もりを取り、作業内容と費用を比較してみてください。「一式いくら」ではなく、品目ごとの内訳が出る業者の方が安心です。
まとめ
残置物があっても不動産は売れますが、撤去の責任と費用の取り決めを曖昧にしたまま進めると、引き渡し後のトラブルにつながりやすいところです。
まずは物件の中を確認して、残置物の量と内容を把握するところから始めてみてください。そのうえで、撤去してから売るか、現状有姿で売るかを不動産会社と相談しましょう。
手続きの進め方に迷ったら、仲介会社に早めに声をかけるのが着実です。SmuUでは、残置物の整理も含めて売却全体を一緒に考えていく方が、結果的にスムーズだと考えています。あと安い残置物処理業者、知ってます。紹介料頂かずにご紹介できますのでご連絡ください。
